第二種電気工事士 学科試験科目と主な出題範囲と例題について

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第二種電気工事士 学科試験科目と主な出題範囲と例題について

第二種電気工事士の学科試験は、電気工事に関する幅広い知識を問われる重要な試験です。

主な出題範囲は電気の基礎理論をはじめ7つに分類されます。第二種電気工事士の資格取得するには、これらの分野について深く理解が必要です。

こちらでは、第二種電気工事士の学科試験科目と主題範囲、例題を掲載しています。しっかりとした基礎知識の習得と過去問演習を通じて、試験対策を行いましょう。

第二種電気工事士|学科試験科目・出題範囲

第二種電気工事士の学科試験は、以下の7項目から50問出題され、電気工事の基準に関する基本的な内容が出題されます。

◾️ 学科試験科目

  1. 電気に関する基礎理論
  2. 配電理論及び配線設計
  3. 電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
  4. 電気工事の施工方法
  5. 一般用電気工作物等の検査方法
  6. 配線図
  7. 一般用電気工作物等の保安に関する法令

1.電気理論に関する基礎理論

電気理論に関する基礎理論の科目では、電気工事士や電気技術者志望者にとって基本的な電気の知識が求められます。

電気は生活に不可欠なエネルギーですが、誤った扱いは感電や火災の危険を招きます。そのため、専門家はオームの法則を含む基礎理論を理解する必要があります。

配電理論や配線設計の学習に進む前に、これらの基本をしっかりと理解しておきましょう。

◾️ 電気理論に関する基礎理論

科目出題範囲
電気理論に関する基礎理論①電流、電圧、電力及び電気抵抗
②導体及び絶縁体
③交流電気の基礎概念
④電気回路の計算
例題
【例題】合成抵抗

合成抵抗の計算問題は最も出題される問題です。直列と並列の合成抵抗値の計算方法を理解しておきましょう。電気理論の基礎となるものです。


電気理論に関する基礎理論 例題ページ

◾️ 補足まずはa-b間の合成抵抗を求める前に、直列・並列それぞれの合成抵抗を求める必要があります。

  • 直列の合成抵抗=3Ω+3Ω=6Ω並列の合成抵抗=積÷和=(3Ω×3Ω)÷(3Ω+3Ω)=1.5Ω2つの合成抵抗を積÷和で求める=(6Ω×1.5Ω)÷(6Ω×1.5Ω)=1.2Ω

 【例題】導体の抵抗抵抗値に関する問題は、ほぼ毎回出題されます。抵抗値の計算方法や導体の材質・断面積・長さとの関係など理解していきましょう。


電気理論に関する基礎理論 第二種電気工事士 学科試験 例題

◾️ 補足
直径2.6mmの断面積の求め方:半径×半径×3.14=2.6×2.6×3.14=5.3066=5.3㎟

【例題】三相交流回路問題三相交流回路はおなじみの問題でよく出題されます。こちらは Y(スター)結線ですが、Δ(デルタ)結線方式もあります。「線間電圧と相電圧」「線電流と相電流」の関係は、それぞれ計算方法が異なるのでしっかりと理解しましょう。


電気理論に関する基礎理論 第二種電気工事士 学科試験 例題3

◾️ 補足

  • 線間電圧[V]=√3×相電圧[V]÷インピーダンス=200/√3÷10=20÷√3=20÷1.73=11.56=11.6

出典:試験センター


2. 配電理論及び配線設計

国内では複数の配電方式があり、それぞれに特徴があります。配電方式や屋内配線の基本的な理論や設計についての理解が重要な科目です。

幹線や分岐回路の設計、過電流や地絡保護についても学習し、一般用電気工事に対応できるよう理解しておきましょう。

科目出題範囲
配電理論及び配線設計①配電方式
②引込線
③配線
例題
【例題】単相3線式回路の断線問題

中性線が断線した場合の問題は、多く出題されてきた問題です。断線事故が発生した際、負荷にはどんな影響を及ぼすかを問われます。実際に起こり得る内容なので理解しておきましょう。


配電理論及び配線設計 例題1

◾️補足図の位置で断線した場合、200Vの電圧が、直列につながっている80Ωと20Ωの合成抵抗にかかっています。


したがって、この時の電流は、200[V] = 電流[A] × (80+20)[Ω] から、電流[A] = 2[A] となります。80Ωの抵抗にかかる電圧は、電圧[V] = 2[A] × 80[Ω] = 160[V] となります。 


【例題】電圧降下電圧降下はよく出題される問題です。オームの法則と電線の長さとの抵抗値を理解すれば比較的簡単に解ける問題です。

配電理論及び配線設計

出典:試験センター

3. 電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具

配線工事は、安全と確実な施工が求められる重要な作業です。現場では、様々な機器、器具、材料、工具が使用されます。

それぞれの名称、外観だけでなく、用途、使用方法を正しく理解することは、安全な施工と作業効率の向上に不可欠です。これらの知識をしっかりと身につけ理解しておきましょう。

電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具 

科目出題範囲
電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具 ①電気機器及び配線器具の構造及び性能
②電気工事用の材料の材質及び用途
③電気工事用の工具の用途
例題
【例題】器具名称・用途問題

写真の器具に関する用途を問う問題です。写真問題は器具の名称だけではな、用途・構造・規格などの総合的な知識力が求められます。


電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具  例題3-1

 【例題】材料に関する問題こちらは、名称から主な使用用途の「不適切なもの」を答える問題です。「適切なもの」「不適切なもの」と2つの出題パターンあるので、注意しながら問題を解きましょう。

電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具  例題3-2

【例題】電気工事用具に関する問題金属管(鋼製電線管)の工事に使用する電気工事用具の目的に関するものです。金属管を切断したり曲げたりする実際の作業を想像しながら学ぶことで、知識の範囲を拡張できます。

電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具  例題3-3

出典:試験センター

配線工事などの施工には、様々な機器や材料が必要です。これらを理解し、専門知識を身につけましょう。器具や材料は常に進化しており、新しい技術にも注目しましょう。

4. 電気工事の施工方法

電気工事を行う際には、厳格な基準を遵守する必要があります。この科目では、施工手順や基準の背景を理解し、適切な施工を行う知識が求められます。

教材などで技術基準を学び、一般用電気工作物の施工条件を身につけましょう。

◾️ 電気工事の施工方法

科目出題範囲
電気工事の施工方法①配線工事の方法
②電気機器及び配線器具の設置工事の方法
③コード及びキャブタイヤケーブルの取付方法
④接地工事の方法
例題
【例題】電線接続の基本に関する問題

こちらは、絶縁電線相互の接続に関する問題です。電線の電気抵抗はいかなる場合でも増加させてはいけません。電線接続に関する基本的な条件は理解しておきましょう。

電気工事の施工方法 例題4-1 

電気工事の施工方法 例題4-2

出典:試験センター

5. 一般用電気工作物等の検査方法

完成した一般用電気工作物には、適切な施工を確認するために点検や測定が必要です。この科目では、完成した電気工作物について、適切な点検、測定方法や、施工の正確性を確認する内容などが重要視されます。

点検や測定内容が、適正に行われているかを判断する能力を身につけましょう。

◾️ 一般用電気工作物等の検査方法

科目出題範囲
一般用電気工作物等の検査方法①点検の方法
②導通試験の方法
③絶緑抵抗測定の方法
④接地抵抗測定の方法
⑤試験用器具の性能及び使用方法
例題
【例題】検査・計測器の問題

こちらのような問題は、各計測器の性能、使用用途について理解力が求められる問題です。検査を行う測定器は用途毎によって使う測定器は異なりますので、理解しておく必要があります。


 一般用電気工作物等の検査方法 例題4-1

【例題】絶縁抵抗計の問題絶縁抵抗計の基本的な知識を問う出題です。絶縁抵抗の測定は、電気工事の適切性と安全性を確認する重要な検査です。電気工事士として、各種測定器の性質を理解し、正確な検査を行うための知識が必要です。

 一般用電気工作物等の検査方法 例題4-2

出典:試験センター


6. 配線図

この科目では、一般的な住宅やマンションの配線図を例題として、図記号の名称の他、意味、用途、指示部分の工事内容などの理解力が問われます。

科目出題範囲
配線図①配線図の表示事項及び表示方法
例題
配線図 例題6-1
配線図 例題6-2

【例題】接地工事に関する問題こちらはコンセントの接地極の接地工事に関する問題です。接地工事の種類は技術基準で定められていますので、基準を体系的に理解しましょう。

配線図 例題6-1

【例題】図記号問題配線図で使われる図記号の器具についての問題です。器具や機器、材料を学ぶときに、図記号も同時に理解することが効果的です。配線図の表示内容や方法を理解し、読み取りスキルを磨きましょう。

配線図 例題6-2

【例題】複線図の理解度配線図が一回路の配線を単線で示しています。実際の配線を考える際には、複線図を作成すると効果的です。スイッチの位置や種類などを考慮し、正確に配線を行う必要があります。

配線図 例題6-3

【例題】図記号問題図記号には、傍記が添えられる場合があります。例えば、屋外灯の自動点滅源器では、図記号●の隣に「A」と容量(ここでは「3A」)が添えられます。図記号は簡単な暗記問題なのでしっかり理解しておきましょう。


配線図 例題6-4

【例題】工具に関する問題例題では、指示された作業に必要な工具の外観、名称、用途を正確に把握しているか理解が問われます。これらの問題は教材などで必要な知識を身につきます。

配線図 例題6-5

【例題】図記号問題図記号と器具を写真から正解を選択する問題です。名称と外観を理解できていれば落とす問題ではないですので理解しておきましょう。

配線図 例題6-6

出典:試験センター


7. 一般用電気工作物等の保安に関する法令

電気工事士法は、基本的な法律なので理解しておくのは必須です。法令や技術基準を理解し、守ることが重要となります。

この科目では、電気工事士法や技術基準、電気用品安全法など、遵守事項等の理解力が問われます。

科目出題範囲
一般用電気工作物等の保安に関する法令①電気工事士法、同法施行令、同法施行規則
②電気設備に関する技術基準を定める省令(注1、2参照)
③電気用品安全法、同法施行令、同法施行規則及び電気用品の技術上の基準を定める省令
例題
【例題】電気工事士法に関する問題

電気工事士法に関する出題は、法の目的を正確に理解することが重要です。電気工事士法は電気工事士の基本でもあるのでインプットしておきましょう。

一般用電気工作物等の保安に関する法令 例題7-1

【例題】電気工事士法この問題は電気工事士法に関する基本的な内容です。法律で規定された電気工事の範囲など、基本的な事項はしっかり覚えておく必要があります。

一般用電気工作物等の保安に関する法令 例題7-2

出典:試験センター


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詳しい例題ページは、電気技術試験センターの学科試験のポイントに掲載されています。